Heddon Vampのあの独特で表情豊かな顔に惹かれる人は大勢いると思いますが、勿論、自分もそのうちの一人で、ああいう顔のルアーを一度作ってみたいと思ってました。
 で、それはそれとして、ある時、何かで目にした般若の面と、Vampのあの顔付き・雰囲気に共通点があるような気がしました。通った鼻筋、富士山型に盛り上がった額、細く尖った顎、彫りの深い目、etc...
 そんなわけで、Vampそのものの面影も残しつつ、顔部分を般若の面に置き換える事ができたら面白いルアーになるのでは?とふと思った事がこの般若Vampのそもそもの原点です。
 ただ、いざ作るとなるとかなり手間が掛かるのがわかってたんで、なかなか手を出せず、せっかくのアイデアも長い間寝かせたままになってたんですが、古くからお世話になっているショップからハンドメイドギャラリーへの出展を依頼されたのを機会に、ちょっと気合を入れて挑戦してみる事にしました。実際に製作するにあたっては、やはり未経験な分野の作業があるため、案の定完成させるまでにはかなりの手間暇が掛かってしまいましたが、何とか思い描いたイメージに近い形で完成させる事ができました。
 今回試してみたこの技法が後々役に立つのかどうかわかりませんが、たまには、こういうちょっとセオリーから脱線した事をやってみるのもいいもんですね…。発想の幅を広げるという意味で、また、ルアー製作の応用力を付けるという意味でいい勉強になりました。
Heddon Vamp


般若の面部分の製作手順は次の通りです。
@、ブランク形状に合わせながら軽量エポキシパテでベースを製作
A、硬化させた後、成型→デッサン
B、目と口の部分の穴開け
C、エポキシパテを肉付け
D、硬化させてから削り&研磨
E、C〜Dを何度か繰り返し
F、着色した後ブランク(グラスアイ装着済み)に接着→コーティングして完成!

※ちなみに般若の面の重量はたったの約1グラム